泣ける話

感謝するの煙草の話

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そいつは何も取り柄の無いやつで・・・。
いやむしろダメな部分しか無い奴だったんだ。
学生時代にはいじめしか思い出が無くて会社に入社しても仕事の失敗ばかりを繰り返しては上司にしかられる毎日でした
彼女もいなければ20歳になっても恋愛経験もなく・・・。
人生が嫌になってとうとう首をくくる時が来たなと。
死んだほうが生きているよりもいいだろうまさしく死んだほうがマシ って思ってしまった。
ただロープを目の前にすると恐怖でなかなか先に進めないんだ。
死ぬ勇気すらも無い駄目な奴。
完全な落ちこぼれで社会のゴミです。
そんな彼は21でリストラに・・・。
死ぬ勇気も不良やホームレスになる勇気も無い駄目なやつ。
まさしく生き地獄だったんだ。
実家に帰って嫌で仕方の無かった親の家業を継ぐことになったんだ。
親はしがない町のおもちゃ屋だったんだ。
近くの小学校の全校生徒合わせて10人もいないガキが客なんだ。
おもちゃが売れるわけも無かったよね。
そんなある日、親父が42歳という若さでこの世を去ったんだ。
そして店をたたむことになった。
おもちゃは捨てるのはもったいないので売ることにしたんだ。
そして、人生の転機は訪れたんだ・・・。
古いおもちゃのほとんどに莫大なプレミア価格がついているものが山ほどあったのだよね。
そしてその日初めて親父と同じマイセンに火をつけたんだ。
その彼はマンションを買い生活費も楽に稼いでいる
嫁も子供も出来て幸せな生活が手に入ったんだ。
親父の吸っていたマイセンをくわえて毎日親父の遺影に手を合わせて心から感謝の言葉を並べている。
線香と1本のマイセンを立てて・・・。
今日も俺は親父への感謝を忘れないよ。
ありがとう。 





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