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おもいっきり泣ける話



家族

松ぼっくりに込められた想い

投稿日:

幼稚園から一緒だったがほとんどしゃべったことない女の子から、
小3のときに、松ボックリに楊枝を刺した人形みたいのをもらった。
あまり話したこともないしつまらないものなので、帰り道に捨てた。

中学、高校へと進んで、その子もずっと同じ学校だった。
同じ学校だったのは知ってたけど、話すこともなく、気にもかけてなかった。
高校に入ってすぐ、こんどは手作りのマスコットをもらった。
そのマスコットはボクをモチーフに作られたものだと一目でわかったけど、
まったくうれしくなかったので、それも帰り道に道端へポイ捨てした。
しばらくするとその子の姿は学校では見かけなくなった。
見かけなくなるとなんとなく気になってしまい、ふと思い立って、
その子のクラスがどこだったか探して、担任に見かけない理由を聞いた。
学校は一ヵ月でやめてしまい、今はどこかで働いていると教えてもらった。
元気に働いてるならいいと思って、それで忘れて、高校生活を送っていた。

高2の夏休みに、畑でばあさんと草をむしってるその子を見かけた。
働いてると聞いたけど、野良仕事かよと思って思わず失笑してしまった。
そしたらその子がボクに気がついてこっちへきて、すこしだけ話をした。

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小3のときに家が火事になって、松ボックリが何個か焼け残ったこと。
その松ボックリは、幼稚園のときにボクとその子と誰かで拾ったこと。
松ボックリの人形をボクが捨てたのを見て、拾って持ち帰ったこと。

火事で父親を失い母親は車椅子生活になり、それ以来ずっと生活が苦しいこと。
ボクと同じ高校へ行きたくて無理をしたけど、生活苦ですぐ退学したこと。
帰り道に捨てたマスコットもまた、偶然見つけて拾って帰ったこと。
マスコットの中には昔ボクが捨てた松ボックリの種が入ってたこと。
火事でも焼けなかったから、きっとボクのお守りになると思ったこと。
自分は退学するけど、マスコットが代わりに通ってくれたらと思って作ったこと。
あんなプレゼントが精一杯で、貧乏な自分の家がとても恥ずかしかったこと。
そしてボクのことがずっと好きだったけど、やっとふっきれたこと。

もらったプレゼントを無碍に捨ててしまったばっかりに、
ボクは自分をこんなにも一途に好いてくれてた人との出会いも捨てていた。
そのころボクには彼女がいたけど、いなかったらその子を好きになったと思う。
顔はたいしてかわいくなかったその子だけど、10年たった今も忘れられません。
残念ながらその子は引っ越してしまって、もう連絡が取れないのです。

勝手なお願いですが、どこかで元気に働いていてほしいと思います。

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